米国・2032年炭素排出基準の衝撃──物流車隊が追随できなければ、北米向け出荷は困難に
米国環境保護庁(EPA)は2024年3月、「GHGフェーズ3」と呼ばれる過去最も厳格な大型商用車向け炭素排出規制を署名・公布しました。本規制は2027年から2032年にかけて段階的にCO₂排出量の削減を義務付けており、2032年時点で大型車は最大60%、中型車は40%の削減目標を達成する必要があります。
この規制は全面的なEV化を強制するものではありませんが、自動車メーカーに対してハイブリッド技術、水素燃料電池など複数の技術の併用を求めており、さらに炭素排出枠の取引制度を通じてコスト削減を図ることも可能となっています。
すなわち、台湾から北米へ輸出するトラックや物流車隊が早期に転換を進めなければ、炭素コストの増大や市場参入の制限といったリスクに直面することになります。国際的な先進企業と同時に進化することこそが、将来的な交渉力を確保する唯一の道といえるでしょう。
📎 参考資料:EPA『Greenhouse Gas Emissions Standards for Heavy-Duty Vehicles – Phase 3』unece.org+9epa.gov+9epa.gov+9